ANNA SUI SPRING 2016
RUNWAY
PHOTOS
/

SPRING 2016

みんなと同じく、私も最初はゴーギャンの作品と「バウンティ号の反乱」を見てタヒチをイメージしました。だた、タヒチに親戚がいて、父側の親族がタヒチの首都パペーテで店を経営していました。小さい時は、マザーオブパールや貝殻で作られた小さなオブジェが詰められた、毎年タヒチから届かれたクリスマスプレゼントをいつも楽しみにしていました。中にも記憶に残ったのは、叔母が母のために作った、小さな貝殻がたくさん刺繍されたドレスでした。その記憶を今回のコレクションのドレスのデザインに活かしました。

去年ニューヨーク近代美術館でアンリ・マティスの切り絵の展覧会を見たのですが、伝統的なティファイファイキルトの模様など、タヒチに住んでいた経験が彼の作品への影響の大きさに驚きました。そして最近、NARSのフランソワ・ナーズ氏から彼の素晴らしい写真集『Tahiti: Faery Lands』をいただきました。

そのため、今年家族とサマーバケーションに出かける前に、私の中に「エキゾチックなポリネシア」のイメージがすっかり出来上がっていました。実際タヒチに行ってみましたら、期待を遥かに超えた素晴らしい場所でした。きれいな水、砂と空の色、咲き乱れる花、美しい大地をこよなく愛するタヒチ文化は、「自然」そのものです。心の琴線に触れるものばかりです。シーフォームグリーン、アクアミスト、ティールラグーン、ハイビスカスレッド、そしてパイナップルイェローなど、2016年春コレクションのパレットを見れば、タヒチの自然からインスピレーションをもらったのがよく分かります。私のデザインはビンテージプリントというイメージが強いですが、今シーズンはちょっと大胆にハイビスカスの花、熱帯の蝶々、エキゾチックな鳥、ヤシの木、ヒトデ、サーファーなど、アロハテイストの模様とタトゥープリントメッシュを取り入れてみました。

デザインのアイディアを練るためにいろいろ調べますと、西洋で最もポリネシアに憧れる時代は1940年代と1950年代だったことが分かりました。当時「サロン」シリーズ映画が大人気で、「ティキラウンジ」と呼ばれるポリネシアンレストランが流行り、全米に広まりました。サマーバケーションの帰りに、ハワイに少し寄り道をしました。まだ経営している本物のティキラウンジの存在をひたすら探しました。最後の本格的なティキラウンジは、ホノルルにあるLa Mariana Tiki Barではないかと思います。ハワイアンシャツ、サロンドレス、ボードショーツ、フラスカート、サウスシーのレトロモチーフを刺繍したボマージャケットなど、私が1950年代アメリカの雰囲気をイメージしたデザインは、明らかにその影響を受けています。

ザンドラ・ローズ、そしてBibaブランドを作り上げたバーバラ・フラニッキの作品にいつも感銘を受けています。彼女たちをファッションアイコンとして尊敬しており、自分のコレクションにもよく彼女たちのスタイルを取り込んだりします。今回のショーのコラボレーションの話を彼女たちに持ち出しました。ポリネシアのインスピレーションについてザンドラに話したら、タヒチに行ったことがあるわ、当時描いたスケッチを見せましょうかと言われました。見せてくれたスケッチは、このコレクションに使った美しい貝殻とヤシの葉の模様のプリントのひな形になりました。ザンドラの明るい筆致が特徴的です。バーバラは忙しかったので、今回はザンドラのようにプリントをデザインしていただけなかったのですが、Tシャツのデザイン案のイラストを2つ作ってくださいました。

Onisと新しい水着シリーズを共同開発して、バリンのビンテージのバーククロスプリントまたはハッシュパピーのチェリー模様を施した1940年代の厚底サンダルもリリースしました。エキゾチックなサウスシーへのバケーションに出かけるなら、私の「ファンタジーウォードローブ」に入れるアイテムは次の通りです:James Covielloのオクトパスセーター、Green Acresの羽のつけたネグリジェ、Erickson Beamonのランの花のビードのレイ、Bakeliteのホタテ貝殻のベルト、セーラータトゥーの模様を施したウクレレ。